2015年4月22日水曜日

花鳥風月04/18・昼

東京都北区を拠点に活動するプロレス団体「花鳥風月」の王子神谷バビロン大会を観戦した。
昼はお馴染みとなった格闘技寄りのルールで開催される「月闘」。王子神谷駅で降り、歩きの途中、お蕎麦屋さんに立ち寄り、そばの他に肉じゃがやカツ煮やらを食し、いざ会場へ。
気のせいか、前回よりもリングが低くなっていて、見やすくなっていたように感じました。
■第一試合
焙煎たがい。vs瓦井寿也
西口プロレスで活動しているプロレスラー、焙煎たがい。選手は前回も月闘ルールでファイトしており、ひょうきんな見かけながら、きちんとした技術を身につけた実力者です。対するは東京花鳥風月所属の瓦井寿也選手。これ、というバックボーンは持たずとも、貪欲にハードヒットのリングなどに上がり、経験を積んでいる現在進行形のプロレスラー。
試合は焙煎選手から余裕を奪うまでには至らず、アキレス腱固めのレクチャーを受けるパフォーマンスをやられてしまったり。でもまだ、これからでしょう。
■第二試合
ムエタイ・マシンvs中川達彦
地元の空手の先生であり、どっしりとした重量感のあるベテラン中川選手に対し、謎のマスクマン、ムエタイ・マシン選手はひょろひょろとした外見で、果たしてどうなるものか……と思っていたのですが、試合が始まるとそれは全くの杞憂でした。まさしく名前のとおり、ムエタイのテクニックで中川選手を翻弄しまくるマシン選手。体重のハンデなど帳消しにする猛攻を見せます。
しかし負けてられない中川選手、首相撲をパワーで強引に潰しにかかり、わずかにできた隙間を見逃さず、空手の裏技・のど突きを炸裂させました。レフェリーの死角ということもあり、これでKOになったことに納得いかないマシン選手、勝ち名乗りを受けている中川選手にキックの連打を浴びせるという暴挙! ……穏やかじゃない結末でした。
■第三試合
山本裕次郎&進祐哉vs松本崇寿&HAMATANI
開会時に自分の言葉で花鳥風月に移った気持ちを話してくれた山本選手。
これを聞けただけでも良かった。個人的なモヤモヤが晴れました。そう。勝村選手だけでなく、月闘のリングには実力者の篠宮選手、そしてその篠宮選手から勝利した松本選手がいる。ストレートな気持ちがぶつかり合うなか、異彩を放ったのは松本選手が前回も見せた独特なグラウンドテクニックの動きでした。MMAなどを見慣れたお客さんなら、もしかすると驚くに当たらない技術なのかもしれませんが、それでも思いがけない方向から足が伸びてきて、瞬時に不利な状態を脱するあの一連の動きたるや、実に見映えがするなあと。
 
 最後は進選手がHAMATANI選手に腕十字をキメて決着となるも、進選手は素直に「もっと実力を上げて、また月闘でファイトしたい」旨のマイク。好印象でした。
■第四試合
服部健太vs篠宮敏久
月闘の常連にして、ステを寝技に全振りしたようなファイトスタイルの篠宮選手と対するは、人生の大一番を直前に控えた服部選手。過去のファイトを目にした人なら、篠宮選手の実力は疑う
余地もなく高いレベルにあると認識していたでしょう。同時に服部選手は大丈夫かなとも。
しかしその寝技マスターを相手に、服部選手、培ったレスリングテクニックで対抗し、一歩も退きま
せんでした。結果はドロー。篠宮選手の牙城を崩すまでには至りませんでしたが、意地を見せてくれました。

■第五試合
勝村周一朗vs岡田剛史
鎌倉花鳥風月代表の勝村選手が迎え撃つは、アゴヒゲをたくわえた荒武者のごとき容貌の岡田選手。広島からやってきた実力者との謳い文句にたがわぬ暴れっぷりを見せてくれました。
強い打撃とグラウンドテクニックは、勝村選手をかなり追い詰め、あわやという場面も幾つか。最近の勝村選手はニンジャチョークといったフィニッシュへの布石としてなのか、結構相手に深く攻め込ませる傾向があるなーと思っているのですが、見ているほうには当然どこまでが罠なのか分からず、ハラハラしてしまいますね。この試合で負ったダメージは夜の試合でも、また打ち上げの席らしき場でも気にされていたようなので、あのスタイルを続ける危うさはちょっと気になったりしました。
「ぼくばっかり強いのと当たる」とボヤいていましたが、それは松本選手、山本選手への発破かもしれませんね。今回、勝村選手の体を張った勧誘が成功し、岡田選手も(おそらく鎌倉)花鳥風月のリングに上がることになりました。鎌倉ばかりにやたら強い人が集まったことになりますが、次回はどんなカードが組まれるのか、楽しみにしたいと思います。

FREEDOMS 04/16

プロレスリングFREEDOMSの新木場大会に行ってきた。
新木場1stリングは満員になっても200人位(無理すれば230位かな)の会場だが、とても見やすく、短いながら入場ゲートとリングの間にはランウェイもある。しかもこの日のようなデスマッチも可能という、お客さんにもレスラーにも優しい場所だ。これで軽食販売のスペースがあれば言うことはないのだが、それは休憩の多い団体に毒されすぎの感想かもしれない。昨日の休憩はリングをデスマッチ仕様にするためという名目があったわけだしなー。
前説には団体の顔である葛西選手が現れ、後楽園ホール大会におけるvsヤンキー二丁拳銃でのデスマッチ内容を明かす。カミソリボードノコギリ云々だったかな。聴いてるだけで痛くなりました。
往年のジャンプまんが、ザ・モモタロウのモモマスクをつけたリングアナが試合開始を告げ、服部選手とグレート小鹿選手が登場。区議選に立候補予定の服部選手としては、選挙前にこのマッチメイクは如何にもやりにくそうでした。超ベテランを痛めつけたら、クリーンなイメージが!
失礼ながら小鹿選手とファイトする選手は、ある意味DDTの某選手(?)とやる以上に試合をつくるセンスが問われるのでは、とか考えていたら、ロングエスケープ中、最近よく見かける恰幅のいい外国人のご婦人のペットボトルを手にした小鹿選手が紅茶っぽい飲料を口から噴霧!
これを顔面にくらった服部選手が悶絶した隙に、何やら金属片を服部選手のタイツに挟んだ小鹿選手、そこに攻撃をくわえられ、痛みと違和感から服部選手がそれに手を伸ばしたところで、レフェリーに「凶器持ってるぞ」アピール。注意を受けた服部選手、「イメージが台無しだよ!」
精神的ダメージを受けた服部選手の動揺を見てとったか、小鹿選手は技を畳み掛け、のど輪落としからフォール勝ちを奪い、更にマイクで「若僧が、また相手してやるよ」(うろ覚え)とアピール。服部選手は残念でしたが、選挙前に貴重な人脈を広げられたと考えれば!
第二試合は若い杉浦透選手がベテランの怨霊選手に挑むシングル。全身から粉を吹く怨霊選手はどうやら体のあちこちに予備の粉を仕込んでるようで、要所で繰り出しては杉浦選手を翻弄していました。しかも大量に撒き散らされた粉の掃除は容易でなく、後の試合でも粉が舞ってました。
第三試合、ジ・ウインガー選手vs新井健一郎選手。試合巧者同士のシングルです。やりにくそうな新井選手でしたが、興行のストーリーに絡まない、純粋な単発ファイトをする姿は新鮮に映りました。一方、ウインガー選手はというと、いつもどおりでありました。力の抜けた、自然体。お客さんの声援に反応しつつ、対戦する相手が新人ベテラン上手下手、どんなファイトスタイルであったとしても柔軟に対処し、試合をつくってしまう。そんなウインガー選手のいつもどおりは、どこか新井選手にも似た部分があり、つまりはそれが、やりにくさの正体なのかも、なんて。
第四試合はタッグマッチ。高岩選手やっぱり強えなーと思っていたら、それまで攻めこまれていた進祐哉という選手に、いつぞやの勝村選手を彷彿とさせる、投げ技状態からの変形飛びつき技でグラウンドに持ち込まれ、まさかのスリーカウント。驚きました。リング調整の休憩後、迎えた第五試合、葛西選手の登場に沸き立つ会場。さすが凄い人気です。パイプ椅子とラダーを存分に駆使したワイルドな内容は圧巻。吹本選手は例によって帯を使った首絞めを繰り出すなど奮闘するも、神威選手からスリーカウントを取られてしまいました。
 
メインは蛍光灯デスマッチ。竹田選手の体に刻まれた傷痕の凄まじさは、ただぬるく生きているだけの私なんかとは覚悟が、住む世界が違うんだと有無を言わせぬ一線を引いてくれます。まさに今を、後先を考えず生きている。そういう選手に私は強く惹かれます。
この試合で対戦したGENTARO選手は、これまでデスマッチ経験がほぼないという、きれいな体をした選手でしたが、微塵の容赦もなく、蛍光灯の洗礼を浴びせ、最後は破片だらけのマットへジャーマンスープレックスを決めて勝利を奪う、ほぼ完勝と呼べる内容でした。
試合後、竹田選手はマイクで煽りにも似た問いかけをGENTARO選手に突きつけます。それは、次の後楽園大会の挑戦者として、相応の覚悟を見せろという発破であったのでしょうか。悠々と引き上げるその姿には、デスマッチファイターの、また王者としての誇りが感じられました。後楽園ホールでの大会、気になるなあ。



2015年4月13日月曜日

SRC(SRCシナリオ感想)

スーパーロボット大戦NOVA・第32話

版権SRWシナリオ。異色の参戦作品であるライーザに焦点が当たった回、かな? 前半戦はゴッドマーズのロゼの勢力、後半はガルム帝国、キャンベル星人軍勢との戦いになりますが、ここに至るまでに強化したユニットの力をもってすれば、容易に苦戦はしないかと。改めて、NOVAはSP熱血が解禁されるレベルの前と後で、難易度激変しますね。ユニットも後期強化型が増えてきて、長射程の武器を備えたヘクセンリッター、アシュクリーフなどが削り、SP幸運付与のユニットが仕留めるスタイルで、結構どうにかなってしまいます。しかしこの、自分なりの強化方策で育てたユニットを使い、敵部隊を圧倒する気持ちよさたるや、やはりいいものですね。

ハードヒット04/04(後半)

▼第五試合 10分一本勝負 3ロストポイント
〈0D2E0P〉○坂口征夫 vs エディ・フレンチ⚫︎〈1D0E0P〉
4分35秒 K.O
 ※右ハイキック

今大会唯一の外国人選手登場。試合前、トモダチ! と握手を求めるも、坂口選手に拒否られてしまいます。このスタイル、しかも坂口選手を相手にどこまでやれるのかな? とか思ってましたが、蓋を開けてみれば、優勢に試合を進めたのはエディ選手でした。パワーだけでなく、いわゆる総合格闘技の基本的なセオリーとは異なるアプローチからのテクニックを披露し、結構きわどいところまで追いつめたように見えました。坂口選手も試合後は健闘を讃えるほどでしたから、やはり感じるところはあったのではないかと。


▼第六試合 10分一本勝負 3ロストポイント
〈0D0E0P〉○スーパータイガー vs 特攻のシバター⚫︎〈1D0E0P〉
1分30秒 レフェリーストップ
 
開始直後、猛然とダッシュして飛びつき、フロントネックロックの体勢に入ったシバター選手でしたが、これを抜けられてしまうと、後はもうスーパータイガー選手の独壇場。ミドルキックをこれでもかとくらわせ、ストップに至らせました。試合後のシバター選手、相当苦しそうに退場していきましたが、肋骨とか大丈夫だったのかな?

▼第七試合 10分一本勝負 3ロストポイント
〈0D1E0P〉○原学 vs 岩本煌史⚫︎〈2D1E0P〉
7分58秒 TKO
 ※3ロストポイント

先日のHEAT-UPでも見かけた両選手の対決。格上の原選手相手に、若手の岩本選手、かなり奮闘しました。打撃で攻めたてられはしましたが、負けじと豪快な投げ技を見せ、エスケープポイントを奪います。ただ、二度目は返され、そのまま決着。


▼セミファイナル グラップリングタッグマッチ 15分一本勝負
○佐藤光留&HARASHIMA vs 川村亮⚫︎&KEI山宮
12分13秒 ヒールホールド

佐藤選手、一つ一つの技の精度が違いますね。この日の選手のなかでは抜群のモノがありました。試合では山宮選手がHARASHIMA選手にくらわせたローリングクレイドルが強く印象に残ってます。かつての全日本プロレス中継でしか見たことのなかった技をこんなところで! ごつんごつんと頭を何度も打ち付けられるかわりに、双方目が回るという諸刃の剣な技なのですが、すごく盛り上がりましたね。普段のスタイルとはかけ離れたルールでの試合だったと思うのですが、HARASHIMA選手は随分と楽しんでファイトしてるなーと思ってました。佐藤選手がヒールホールドで勝った後なんか、笑顔を振りまきっぱなしでしたね。

▼メインイベント 15分一本勝負 5ロストポイント
〈0D3E0P〉○長井満也 vs 冨宅飛駆⚫︎〈1D1E0P〉
 
2015年にこの二人がメインで試合をする姿を目撃できるとは。UWFブーム直撃のオッサン世代にとっては感慨深いものがありました。二人とも、齢は取りましたがまだ動けますね。
 
私はもうそれだけで十分でしたが、影響下にない若い人たちの目にはどう映ったかは何とも言えず。



プロレスラーは強くあるべき、という考えのもと、勝村選手が中心となり昨年よりスタートした「月闘」にしてもそうですが、強さ・技術を問われる場が存在する意義の一つに、リング上で想定外の局面に遭遇した時に、己と相手を守り、事故を減らせるだけの対応力を養える、というものがあるのではと考えます。楽しく激しいプロレスは、見ていてとても満足し、幸福な気持ちで家路に着ける素晴らしいものですが、それと並行して、ハードヒットのようなリングに上がるだけの力量も、プロレスラーなら見せてもらいたいなーと、欲張りなことを思ってしまうわけです。